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【羽根コラム】宝物が次のステージへ進んだ日〜宝物DAO経営者コース特別イベント〜

更新日:2月13日




僕自身の半生は、面白い人との出会い、面白い場所に行くことを繰り返してきた。


こうした出会いと体験は、人生に素晴らしい刺激を与えてくれる。


いや、単なる刺激を超えてくれるだけでなく、時には、ビジネスやその後の人生に多大なる影響を与えてくれることすらある。


そんな体験を、これまでに何度もさせて頂いてきたが、僕だけではなく、僕が知ってるみなさんにも提供できる場を作りたいなとずっと思っていた。


それが遂に実現した。

にっぽんの宝物DAOの最上位コース、「経営コース」を通して、経営者の皆さんと共に特別な場所で特別な体験をするというイベントを実施したのだ。


実施したのは6月3日と4日の2日間。もつ2週間が立つが、まだその時の感動が蘇る。


こうしたサービスを提供する時、実はそんなに簡単ではない。年間36万円と決して安くないコース。かつ、当日の交通費や宿泊費や食費もまた別途かかると言うこのコース。値段以上の価値があるともちろん自信を持っているが、初めて参加してもらう場合、その価値を伝えるのは容易ではない。


福岡空港からチャーターしたバスの中で、

「内容はまだよくわかってないんだけど、羽根さんが言うのならなんかあるに違いないと思って参加することにした」


とみんなが言ってくださった。

ありがたい。

信用を裏切らないようなサービスを提供しようと言う気持ちが湧き上がってくる。


僕は、最近、普通のサービスを提供することに興味がなくなっている。

他にはない、僕にしかできないものを提供しないとやる意味がないと、歳をとるにつれ、そんな思いが強まってきた。


先月から始めた「にっぽんの宝物DAO」プロジェクトもそんな理由で始めさせて頂いた。

その宝物DAOの中で、もっとも思い入れがあるのがこのコースだ。


行き先は、佐賀県の唐津市。

なぜ唐津市なのか?


2月に開催されたジャパングランプリでグランドグランプリをとった事業者がここにいる。日本一に輝いた事業者がいる町を訪ねる合宿をずっとやりたいと思っていた。


僕は、毎年、100を超える事業者の現場を訪問している。


事業者が一番輝くのは、現場だ。彼らの現場は、いわばホーム。ここで聞く彼らのモノづくりの話は、グランプリの会場でのプレゼンより遥かに饒舌で面白い。


そこには事業者の技術、思い、こだわり、人生そのものが詰まっているのだ。


佐賀県には素晴らしい事業者が多くいる。まず最初に訪問したのは、自然薯農家の佐々木さん。2年前の全国大会で準グランプリを獲得した。


佐々木さんは無農薬の自然薯を作るために何年も戦ってきた。みんなから無農薬の自然薯は不可能だと言われた。誰も成功していなかったのだ。


妻や祖父に借金をしながら見出せない解決法を考えてきた。しかし、どうしても答えが見出せない。


今年が最後のチャレンジ、これでできなかったら諦めようと思った時、自然が答えを教えてくれた。

たまたま崩れた崖にそのヒントが隠されていた。


そして、常識を捨てることが鍵だと看破した。つまり、多くの人は既存の方を踏襲することしかやっていない。自然薯作りとはこうだと日本中で基準となっているやり方を捨て、全く違うやり方を試みてみたのだ。


結果、世界初の無農薬の自然薯を作り出すことに成功した。先達が作り出した常識の向こう側、誰も辿り着いていない領域に、答えがあったのだ。


この話は、その場に居合わせた経営者、全ての参加者心を動かした。自分はそうした挑戦をしているのだろうかと・・・。1本の映画を見終わった後のような感動があった。


そしてその自然薯を山の上で素揚げにして頂く。

うまい。

ただただうまい。

世界中のどんなレストランよりうまいと言える。佐々木さんの人生という強力なストーリーを一緒に味わっているからだ。


次は唐津市役所へ。市役所が場所を貸してくださり、一昨年のグランドグランプリを獲得した海男(梅津)さんの仲間と宝物経営者達との合同ミーティング。面白い人がいっぱい集まっていた。


梅津さんの世界にうってでる新しいビジネスモデル。僕は事前にその内容を聞いていたのでその凄さを知っている。なぜ佐賀にはそんな夢のある人が多いのか?


夜は地元唐津の名旅館へ。美しい。広い。維新の志士たちが集い歴史的な会談でも行いそうな場所であった。


ランチも素晴らしかったけど、夕食も素晴らしかった。今回のイベント、全てのコースを僕は下見をしている。参加者はみんな食のプロなので、彼らを驚かせるものでなければ意味がない。だから吟味に吟味を重ねた場所にお連れしたのだ。

美味しいものを食べながら、経営者の悩みを共有した。ここでは書けないが、素晴らしい話が共有された。


みんな人生の山谷を超えてこの場に来ていた。映画にできるようなな話が次々と共有されていった。

みんなすごい人たちだった。でも笑いも絶えなかった。これが大切だ。しんどいこともあるけど、こんな席でお酒を片手に話すと、嫌なことも忘れることもできる。経営者のしんどさを、ひと時の間、みんな忘れることができた。


一晩経って、翌日は朝からワークショップ。美味しいものを食べた、酒を飲んだだけでは一般の旅行と変わらない。

そこはもちろん、アクティブラーニング、つまりは参加型のワークショップをしっかりと実施させて頂いた。


集まっている経営者は、みんなそれなりの成果を上げている。つまりレベルが高い。ならばここで他の経営者が考えていること、将来像を共有しあうことで、見えなかったものが見えてくるのではないかと思ったのだ。


実際、そうだった。どの話も面白く、僕自身、宝物をどう育てていくのかの良いキーワードが見つかった。

経営者は、実は孤独だ。みんな死にものぐるいで頑張っている。

その経営者が、みんな目を輝かせながら、夢のある会話を共有することができた。

海に行ってみんなで散歩したのも良い思い出だ。


そして最後は、グランドグランプリ、2月に開催されたジャパングランプリの勇者、吉田さんのトマト畑を見にいった。

数年前に来た時より、はるかに進化した農場がそこにあった。

様々なセンサーを置き、データ活用が始まっていた。吉田さんはまた次のステージへ行こうと努力をしていた。


宝物の事業者さんは、もうIT企業の社長と変わらない。トライアル&エラーを繰り返し、一歩ずつ、着実に前に変革を進めていく。特にグランドグランプリをとるような人は、そうした変化を厭わない。

だからこその日本一なのだ。


僕らのグランプリの審査員、山田チカラさんも参加してくれた。

宝物の事業者さんの現場を是非、見たかったとのこと。


実は、もう1人、別の審査員も2日間に渡って参加してくれた。最先端の宇宙産業の経営をしている畑田さんだ。畑田さんは、彼が社会人2年目の時からよく知っている。本当に良い成長を遂げ、今や日本の宝人として、多方面で活躍している。


畑田さんは、審査員であると同時に、ボケらのアクティブラーニングの効果と意義をよく知っている。だから、2日間、彼がいる問いことは、ワークの質を高めるのにとても意味があった。彼自陣にとっても良い刺激を与えることができてことを心から望む。


みんなで搾りたてのトマトジュースを飲んだ。世界で一番美味しいトマトジュースがそこにあった。

帰りのバスではみんな充実感に溢れた目をしていた。次は9月末に岩手で会おうといことが決まった。

みんな参加すると言ってくれた。


1.全国トップレベルのユニークな経営者や職人=10点

2.唐津というユニークな場所=10点

3.日本トップレベルの食体験=10点 

4.上記3つをキュレーションとファシリテーションをするのが僕らの仕事=10点


つまり、この四つが揃う時、10×10×10×10=10,000、一粒万倍の価値へと生まれ変わるのだ。


実際、四つを揃えるのはなかなか簡単ではない。1回目にしては、うまく行ったんじゃないかと思う。

宝物プロジェクトが次のステージへと進んだ気がした。


次回は、9月末、岩手県。


今から楽しみで仕方ない。


このコースは特別なコースだ。誰でも参加できるものではない。本当に面白い人が参加できる特別なコースとして育てていこうと思った。


宝物DAOが本格的に動き始めた。みんなで作るから面白い。

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