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未来を作る「遊び心」


子供の頃、山の中に秘密基地を作った。鎌とナタを持ち込み、草木を刈って周辺を「開拓」する。

今なら刃物を持つのは危ないと言われるかもしれないが、十津川の子供達にとっては普通だった。

道具は使わなければ使い方を学ぶことはない。

ナタで切り取った枝葉で囲いと屋根を作り、雨風をしのげるような自分専用の居場所を作る。

自分なりの工夫をし、お気に入りのスペースを作り上げるのど。座りやすくしたり、

木の葉のデコレーションでかっこよくしたり・・・。

しんどいなんて誰も言わない。何しろ自分だけの秘密基地を作っているのだ。

これ以上楽しいことはない。


完成すると、その場にいなかった、他の仲の良い友達に声をかける。

この基地は絶対に内緒で、口外してはならぬ、お前だけに見せてやるからついてこいと・・・。

そういいながら、一人、二人と声をかけ、しまいには学校中の子どもたちを連れてくることになる。

何しろ、自慢の秘密基地。人に見せたいのである。

基地だけではない。いろんなものを周辺に作った。稚拙なものもいっぱいあったし、

失敗もたくさんした。でもそれは失敗でもなんでもない。うまくいってもいかなくても、

そこから学ぶことは大きいのだ。


こうした「遊び」から僕はいろんなことを学んだ。「遊び」こそが最強の先生だった。

子供の頃、こういう遊びができる環境で育ったことに心から感謝している。

なぜそんな秘密基地のことを思い出したかというと、

先日、大人なのに本気で秘密基地を作っている大人に出会ったこからだ。

投資家&プロデューサーの千葉功太郎さんのところに遊びに行かせて頂いた。

千葉さんとは、10年前、Slish Asiaの会場で出会った。

Slush Asiaとは、フィンランド発のスタートアップイベントで、僕も設立に携わらせて頂いたのだが、そのステージの上で出会った。

千葉さんは、そのイベントのスポンサーの1社であり、僕はステージで司会をしていたので、ステージの上で千葉さんを紹介させて頂いた。

後日お会いした時、「えらい司会の上手い人」として僕のことを覚えてくださっていた。

司会が上手でよかったと思った。


▼Slush Asiaとは?





千葉さんとはそんなご縁で知り合ったのだが、出会った時には、

コロプラというゲーム会社の創業メンバーであった。

その後、コロプラを卒業され、起業家、投資家、プロデューサーとして各方面で活躍する

推しも推されぬ方になっていった。

そんな千葉さんが、facebookで、寿司を握り始めたと投稿があった。

それも結構、本格的なやつだった。


じゃあ僕も寿司ネタ持っていきますよとコメントしたら遊びに来てくださいとお誘いを頂いたのだ。

某所の素敵なご自宅にお邪魔した。僕以外に素敵なゲストが複数招かれていた。

そして気がついた。

そこにいる人たちな皆、大人になってからも「秘密基地」を作っている人たちであった。 

ある人はウイスキーを通して、ある人はサッカーを通して、またある人は町づくりを通して・・・。

みんな文字通り、それぞれの夢を追いかけていた。

みんな目をキラキラと輝かせながら、いろんな夢を実現しようとしていた。

初めて会った人たちでも、初めて会ったような気がしなかった。

千葉さんはきっとそんなベクトルのあった人たちを誘ってくれたのだと思う。

何を話してもとても居心地が良かった。

千葉さんはそんな僕らにお寿司を握ってくれた。

とても半年でここまで来たとは思えないほどの腕前であった。

寿司を食べながら、千葉さんのここから恐らく生涯をかけての大きなプロジェクトのお話を聞いた。

もう呆れ枯れるほどのプロジェクトだった。

ビジネスでもなく、趣味でもなく、

ただ聞くだけでワクワクするあくまでも「私的な」プロジェクトの構想であった。

ほんまかいなと思っていたら、翌日見に行かないかと誘われた。

山の上にその片鱗が体験できる施設が着々と作られていた。

これは正真正銘の「子供の秘密基地」だった。こんなのがあったら最高じゃんを、

利益率とか関係なく、やりたいからやるという感じです作っていた。

完成のイメージを話す千葉さんの目つきは、子供の目そのものであった。

秘密基地には千葉さんのお父さんもいた。このお父さんがユニークな人であった。

何にでも好奇心を持つ感じの方で、話し出したら止まらなかった。

口が止まらなければ手も止まらず。

畑を耕しながら、次々とうちの妻にジャガイモやその他の野菜を土産に持してくれた。

「両親はとても忙しい人たちでした。でも限られた時間の中でとても良い教育を受けました。」 

千葉さんのお言葉である。

親の背中を見て子供は育つ。

今回、千葉さんのお家にはうちのとーりも連れて行かせて頂いた。

みんなでとーりをかまって頂いた。

僕が何をとーりに残せるかはわからないが、僕の知り合いの千葉さんやその場にいたような

ユニークな方々と会える機会を持てることはとーりにとって、

将来意味があることになればいいなと思った。

帰り際、千葉さんからたくさんのメッセージが飛んできた。

僕が咳が止まらないので、「ここが有名ですよ」とお医者さんを紹介してくださったり、

その他、料理関係の小道具など、惜しげも無くいろんなことを教えてくださったのだ。

それも何かださんがあってのものではない。子供が自分が持ってる飴玉を友達に分け与えるように、

これあげるよって感じであれもこれもと情報を送ってくれた。

子供心を持った千葉さんは、きっとあの秘密基地を完成させるだろう。

こんなことができたらいいなという「遊び心」は、未来を作る原動力なのだ。

千葉さんがどんな素敵な夢を実現してくれるのか?今からとても楽しみである。

千葉 功太郎さん、本当にありがとうございました。

家族一同、感謝しております。

また遊んでください♪

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